Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 374.755 caratteri · 745 schermate
素直であり、素直であるがために現実が客観的現実のありようにおいて見えざるを得ず、それが見える以上見えないことにはならないという、そういう力が、芸術の背柱をなすわけですが、そこまで身ぐるみ成るのは大事業ですね。掃除がすっかりすんだというような固定的なものでないことはわかります。あの掃除では、ゴミはこれ程たまるものかと感歎したのですもの。掃除のあと、スーとして寒いようになった程ですもの。そこへその肌にあたる空気の工合におどろいたのですもの。真の愉しさ、生活のよろこばしい共感が、高まるための相互の献身と努力にしかないと云うことは、明らかなのだと思っていて、先頃はそういう努力がないとか足りないとか云うことがあり得ざることといきばって、そのことにだけ執していたから、哀れにも腹立たしき次第でした。そういう折のあなたが私を御覧になる独特の表情を思い出すと、切なかったことも思い出し、涙が滲むようだけれど、ひとりでに笑えもします。実にあなたは表情的なのを、その程度を、御自分で知っていらっしゃるでしょうか。唇一つの工合で私はもうハアとなってへこたれることがあるのを。