Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 374.755 caratteri · 745 schermate

Aozora Bunko

間食はしない方です。体重はすこし減ったかどうかです。顔もきっと御覧になると、どこも細くはなっていないよ、と仰云るのでしょう。今はまだ脚の力がないの。でも、ベッドの上下、折りかがみ等楽に致します。まだ横向きに臥られません、どっかが心持わるくつるのです。右へも左へも本当の横向きは出来ない。仰向いて例の二つ手をかつぐ形で眠ります。夢はまだ見ます。いやね、昨夜の夢は、小さい小さい耳掻きがいくつもいくつもうんとあって、私はその一つ一つの小さい耳掻きの凹みにつまっている何かのごみをとらなければならなかったの。面倒くさくなって、理屈をこねているの、いろんな発明があるのにこんな下らないことに人間の手間を無駄にしているなんて、非理性的だ、と云って。

非理性的なんかというのは、ひる間考えていた言葉なのです。非常に自分が薬欠乏を感じて、渇いて、求めて求めて呻るような気持でした。苦しさのどんづまりで不図自分のこの激しい渇望は、与えたい渇望なのだろうか、与えられたい渇望なのだろうかと考えました。それは勿論二つが一つのものですけれども、それにしろ、やっぱり与えられたい激しさであって、この気持そのままあなたの前に提出したら、それはあなたをたのしくよろこばせるものだろうか苦しませるものだろうかと考えました。