Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうしょうそく

獄中消息

大杉 栄

Leggi 獄中消息 (ごくちゅうしょうそく) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.149 caratteri · 114 schermate

Aozora Bunko

痛みは全然なくなった。このぐらいの下痢なら、ちょうどここで毎週一度大掃除をやらすように、腹の中の大掃除をやるような気持がして、かえって小気味がいい。出るまでには是非治したいと思ってしきりに運動して養生している。

ことしは初夏以来雨ばかり降り続く妙な気候なので、内外にいる日向ぼっこ連の健康がはなはだ気づかわれる。あとの二度とも本が郵便でばかり来るので、あるいは足下も寝ているのじゃあるまいかと心配している。八月の千葉での面会の時に、読んでしまった本を持って帰れと言った時も、眼に涙を一ぱいためて何のかのと言いわけする情けなさそうな顔つきは、どうしても半病人としか受取れなかった。

手紙もこれで最後となった。これからは指折って日数を数えてもよかろう。僕の方では毎十の日に本が下るのでそれを暦の一期にしている。まず本が来ると、それを十日分の日課に割って読み始めるのだが、いつもいつも予定の方が早すぎるので、とかく日数の方が足らぬ勝ちになる。したがって日にちの経つのが驚くほど早い。そして妙なのは、この五、六月以来堪えられぬほどそとの恋しかったのが、ここに来てからは跡かたもなく忘れて、理屈の上でこそもう幾日たてば出られるのだとは知っているものの、どうしても感情の上のそんな気が浮んで来ない。