Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうせいかつ

獄中生活

堺 利彦

Leggi 獄中生活 (ごくちゅうせいかつ) di 堺 利彦 (さかいとしひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.443 caratteri · 31 schermate

Aozora Bunko

一八 出獄雑記

緒を引きしめて気を籠めて、

打つや手練の乱拍子。

打ちはやし、打ちはやす、

トウトウタラリ、ポポンポン。」

ああ面白ろの自然かな。

ああ面白ろの天地かな。」

一八 出獄雑記

六月二十日午前五時、秋水のいわゆる「鬼が島の城門のような」巣鴨監獄の大鉄門は、儼然として、その鉄扉を開き、身長わずかに五尺一寸の予を物々しげにこの社会に吐き出した。

久しぶりの洋服の着ごころ甚だ変にて、左の手に重たき本包みをさげ、からだを右にかたむけながらキョロキョロとして立ちたる予は、この早朝の涼気のなかに、浮びて動かんとするがごとき満目の緑に対して、まず無限の愉快を感じた。

ようやく二三歩を運ぶとき、友人川村氏のひとり彼方より来るに遭うた。相見て一笑し、氏に導かれて茶店に入った。あああ、これで久しぶり天下晴れて話ができる。

間もなく杉村縦横君が自転車を走らせて来てくれた。つづいては筒袖の木下君、大光頭の斎藤君などを初めとして、平民社の諸君、社会主義協会の諸君などが二十人あまり押寄せた。最後に予の女児真柄が、一年五個月の覚束なき足取にて、隣家のおばさんなる福田英子氏と、親戚のおじさんなる小林助市氏とに、両手をひかれながらやって来た。