Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうき
獄中記
大杉 栄
Leggi 獄中記 (ごくちゅうき) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.988 caratteri · 58 schermate
すると数日経って、不意に、恐ろしく厳重な警戒の下に東京監獄へ送られた。そして検事局へ呼び出されて、こんどは本式に、いわゆる大逆事件との関係を取調べられた。
「この事件は四、五年前からの計画のものだ。お前等が知らんという筈はない。現にお前等もその計画に加わっていたということは、他の被告等の自白によっても明らかだ。」とくどくどと嚇かされたりすかされたりするのだが、何分何にも知らないことはやはり知らないと答えるより外はない。
監獄では典獄を始めどの看守でも、しきりに、気の毒そうに同情してくれる。
「こんな事件にひっかかったんでは、とても助かりっこはない。本当に気の毒だな。」
と明らさまに慰めてくれる看守すらある。みんなで僕等を大逆事件の共犯者扱いするのだ。
最初はそれを少々可笑しく思っていたが、この同情が重なるに従ってだんだん不安になり出して来た。監獄の役人がこれほどまで思っているのだから、あるいは実際検事局で僕等をその共犯者にしてしまってあるのじゃあるまいか、と疑われ出して来た。まさかと打消しては見るが、どうしても打ち消し得ないあるものが看守等の顔色に見える。