Classici giapponesi con furigana
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げんだいしょうせつてんぼう
現代小説展望
豊島 与志雄
Leggi 現代小説展望 (げんだいしょうせつてんぼう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.254 caratteri · 70 schermate
すると、花江はまたしきりに帰ってくれと由良にいい出したので……彼女と別れて帰ってきた。しかし、花江から見えなくなったと思われるあたりまで来たとき、由良はそこの草の中に立ち停って花江の方を見ていると、誰も人を乗せずに傾きながら近づいて来た小さなぼろ馬車に花江が乗って、ふっと提灯を吹き消すのが眼についた。そうして、やがてまたかたかたと草原の中の石ころ道を走り出した馬車と一緒に、ほっと吐息をついているかのように柱にもたれて揺れていく花江の姿を見送っていると、由良は吹きつけて来た木枯に面を打たせたまま、もうおれもこれはどう藻痒こうと、花江から放れることがとうてい出来そうにもないと強く思った。
(「馬車」――横光利一)
右はどちらも、短篇の結末であり、女と別れるところである。そして一方は都会の朝であり、一方は山間の夜であって、それと同じくらい気分の違いがある。が、吾々の眼を惹くのは、同一人の作品とは思えないほど、作者としての態度が異なっていることだ。前者においては、感覚的な新鮮な描出をねらってる作者の姿が見えるし後者においては、心理的な緊密さを求めてる作者の姿が見える。