Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
手紙の二本は葛岡の旧いもので、彼がいかにわたくしへの面会の困難に当惑して右往左往したかを証拠立てゝいました。一枚の絵葉書は多那川遊園地の桜を背景にF――学園の遊びのパーテイ、吉良、義光ちゃん、八重子の三人が並んで撮られている写真でした。心なしか、わたくしが会わないこの四ヵ月近くの間に、三人は急に育って大人びた様子に見えます。三人の寄せ書がしてあります。
僕は無事普通科を卒業して研究科へ入った。君がいれば一緒なのになあ 吉良
安宅先生はついに帰って来ず君も来ず、みんなもうヤケ気味だ。面白くないよ 義光
お姉さまは御結婚をなさるという噂がもっぱらよ。そんならお目出度いけれど 八重子
わたくしは、この絵葉書の写真を、老人のように眼をしょぼつかせたり、見開いたりして眺めました。そうはすれどもすれどもこれ等の映像のなつかしみは、わたくしの心のなつかしさの焦点へ、ぴったり嵌らずに、ともすれば滑り外れたり、ねぼけたりいたします。眼からはぽろ/\涙は流れ出すのだけれども、感銘は一向ぼやけています。この四ヵ月近くの月日は、これ程までにわたくしを、少女の世界から大人の世界の女に勾引し去ったのでしょうか。