Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate

Aozora Bunko

わたくしは、これ等の店を眺めながら、いつも縁日の人出のようでもあり、また、普通の賑かな夜町の散歩客のようでもあるこの町の行人の歩き振りに、肩を触れたり縫い交わしたりして足を運んで行くうち、何だか連れの葛岡が野暮ったく重苦しく感じられて来ました。

都会の子であるわたくしは、また、官能の子でもあります。官能によって受容れられる四囲からの感覚によって、自分で人が違ったのではないかと思うくらい気分が変ります。わたくしに根から生え抜いた思想というものが認められない以上、この気分がわたくしに取ってまた、思想かも知れません。すればわたくしは、まわりの影響によって、どん/\思想も変る生命の流れに住むカメレオンかも知れません。

まして、四ヵ月近くも寮の中での嫉妬の扉厚く閉じ込められ、官能の芽が餓え渇き切っていたのが、さき程、寮を出たときからの昔馴染の町並や大川の様子、日本橋倶楽部の食堂での町の人との接触、それ等は、あまりに官能が渇き過ぎて、水の繋りが絶えてしまった吸上げポンプのようにたゞぽかんとなっていたわたくしの気分へ、徐々に吐き口からの差し水の作用をしました。