Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
それからせめてこの穢すものゝ置きどころでも片隅へ違えてやりましょうとスーツケースに手をかけます。小さい方のはどうやら運べましたが、大きいのは重くて貧乏揺ぎもしません。いたずらに肩の腕の附根から口惜しい痛みが滲み出します。すると、その重たさと口惜しい痛みが、父が生前、腹の中に持っていた不如意の気持にも通うようで、わたくしは涙を零します。
「おとうさま、おとうさま、蝶子は判ります」と、口に含んで叫びました。泣く音が高くなって階下に悟られるといけません。そこに突き伏し、二の腕を袖の上から噛み詰めます。その痛みからまた父が深く懐われて来まして、しばらくは天も地も挟みれよとばかり身悶えしました。
父よ、いまあなたは何処にいらっしゃる。遠い/\川のほとりの土の上にか。どうしたらお会いできるの。ふと耳に響く声がある。
ひと匙、食べては父のため、
ひと匙、食べては母のため、
おゝ、その文句は、わたくしが病気のとき朦朧とした意識で呟くように唄って、池上を神秘憧憬病患者にしてしまった、あの唄の文句ではありませんか。それを唄えばお会いできるの。いや、会えないけれども猫柳の花の萼はほろ/\と落とすことが出来る。