Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
おきみの傍からのこの哀願は、この難かしい問題に対して無智の持つ強味を露骨に現し、通俗に扱う、その扱い方が、自覚しないで自然とこの問題の一つの軽妙な扱い方になっていますので、池上もわたくしも、ひょんな顔をしておきみがお叩頭をする度びに揺れて上下する赤い手絡の丸髷を船ぼんぼりの仄かな光の中で不思議そうに見詰めるのでした。
左隣の船は運送会社のマークの付いた高提灯を立て、紅白の幕で飾った会社の社員や関係者の家族の乗込んだ伝馬船で、シャツの上衣の良人が舷からガーゼの簡単着を着たこどもにおしっこをさせていますと、その妻は「酔ってるから、あなた、坊や落っことしちゃいけませんよ」と後から危がっています。良人は「特別貴重品取扱い注意と来たかな、はははなに大丈夫/\」と眼を据えています。坊やは水面の上に両股を掴んで架け出されたまゝ梨の一片を悠々と食べています。おしっこはなか/\出そうにありません。
右隣はモーターボートに学生風の男ばかり乗り、ビールを飲みながら近所の船の女を品藻してわい/\騒いでいます。向島の漕艇の選手達でゞもあるのでしょうか、みんな立派な体格をしています。