Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
中では、わたくしに向って、
「あたしの身体は臭いだろ、しばらくあっちへ行ってゝもいいよ」
と暗に、わたくしに遠慮することを慫慂して、その間に信玄袋の中に何か出し入れして仕末したり、感慨にふけったりする所作もありました。
わたくしは、ひょっとしたら、病気の気弱さから歿きわたくしの父の記憶のものでも検めなつかしんでいるのではないかと、
「おとうさまが歿くなってから、十二年経つのね」
と言いますと、
「歿くなったおとうさまは、何一つあたしたちのことを親身に考えて下さらないで、お酒のことばかり言って歿くなりなすった。だからあたしだって、おとうさまのことなんか、一度だって考えてあげたことなんかありやしないよ」
もしかしてこれで死んだって、二度とおとうさまのところへなぞ行く気はないと、母はつっけんどんに言いました。
嘉六は朝早く勤めに出て、夜食は蝶子さんに手数をかけるのも気の毒だと、どこかで食べては帰って来ますものゝ宴会でもない限り、たいして遅くもならず、母の枕元へ来て、町の噂、素人に判る程度の商取引の話などして聞かせます。新旧の食いもの屋の話など、母は聞耳を立てるものゝ一つです。