Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
子供はしばらく吸いついていますが赤砂糖の気が無くなると、むぐん/\と鼻を鳴し、それでも出ないので乳房を口から垂らしてしまい、母乞食の顔を見上げます。母乞食は眼を眠そうにうと/\しています。子供の顔は歪んで来て、小さな桃色の口を開けて泣き出すという段取でした。
文吉はこれを覗き込んで見ているのが好きです。可愛ゆくて/\仕方がない。乳房をぺろんと前へ垂らして顔が歪みかゝり桃色の口が開きかゝるところまで見ているのが好きです。けれども子供が泣声を立て始めると周章てるのでした。何か探すように忙しくあっちへ歩き、こっちへ歩きします。両方の脇腹を頻りに掻いたり。その声を聞いていると身体中に難かしい感覚がざわ/\匍い上るのに堪えないからでした。
文吉は物を食べるときにはきっと二つの感情が起るようです。一つは警戒の気持で、一つは何となく人をなつかしむ気持であります。逆に、これなくしては食うことの味はこゝろに止まらないとも言えます。うまいものに有りついたときは一層この感情は深いと言えます。
今も文吉は、また川下のタガメを警戒するように密閉した真菰の塀から覗き、川上の母子乞食の方を覗きしながら食事を終えました。