Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
附帯条件を充分承知の上でお秀を是非貰いたいと言って来たのは、清光寺の住職と町役場の助役でした。いずれも町の知識階級層には違いありませんが、初老の男で、死んだ先妻の子供もありました。こういう話が出る度毎に、
「どうもあたしにはどこか後妻染みたところがあるのね」
お秀は母親にそういって泣き笑いのような顔を見せていました。母親は「ふーむ」といって黙っていました。
何かしみ/″\と悲しく思い入りながら、しかし一方へぐん/\込み上げて来る若さがあって何か面白いことが先に待っていそうな気もお秀にはするらしいのです。その気分に任せていますと刻々はさほど辛くもないようです。表附きは船宿の愛想のいゝ娘として町の者やお得意の間に通りものになっていながら、内実は誰もかも親身の相手にはなって呉れないのを知っているものですから、孤独を守ることに慣れて独りで寂しさを慰めるこつを覚えています。とき/″\彼女は岸船のあかを掻い出している途中、ふと釣がしてみたくなって客の預り竿を持出し、長門の毘沙門堂の下へ船をつけて鮒を釣ってみたりしました。汚くない乞食だと言ってたまにはわたくしをも船に乗せて連れて行って呉れます。