Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
しかし若し相手が本手で惚れて来たという場合は、これは大事だ。その弱味につけ込んで相手をおもちゃにしてはならない。はっきりこっちの心持を判らして金で買って呉れるようなご贔負筋に仕替えるか、それともきっぱり断るか、こっちも惚れさせられてしまえば歴とした女房にするか、そのどのみちか一つを取り、決して商売の術であしらうではないぞ。幇間というものは自分から身分を一段堕した人間だ。素人衆の無垢な惚れ方に対しては神仏のような慎しみを持たなければならない。そうでないといつかは罰が当るのだぞ。それからもし自分が先手に素人衆の女に惚れたのなら」――鯉丈は茲で声を厳しくして言った「幇間には素人衆の女のなさけ真ごころに引き宛てにするほどのものは何一つ身の中に持ってないのだ。それを首尾しようとするなら、命を的の仕事と思って、まず商売は捨て、几帳面の素人に還りなさい」と。
蝶子、おまえとわたしは四方締切りの茶室の中に半日以上もいた。ときには肩に手も組んだ。炉に燻る香の匂いと床の間の花の籠った匂いでおまえは頭が痛いといった。
生れて始めてのような恋を感じ、やり切れない切なさを感じ、病的にさえなっているわたしとして、どうして斯かる際に決心を実行に移さなかったか。