Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
わたしはこれが江戸っ子気質の通人意識から来るなぞという自惚れは鵜の毛ほどもない。たゞ苛酷に批判してわたしという男は、何という馬鹿正直な、ヒロイズムを好む、偶像性を多分に持った見栄坊の男だろう。言い換えれば容易く祭り上げられるお目出度い人間に出来てるのだと嘲笑したい。殊に女にかけては。
わたしが嘗て青年で幇間をしながら私立大学に通っていた時分に、日本橋の花柳街にお品という中年の名妓がいた。地方の醸造家を旦那に持ち、当時日本橋に在った魚河岸の魚問屋の若旦那を客情夫にしていて暮しに何の不自由もなかった。このお品がわたしを贔屓にした。その贔屓の仕方が結局はいま言うわたしの性格の弱さをハンドルに握って、わたしを自由自在に自分の好みに叶う装飾品に仕立てるに外ならなかった。彼女はわたしの美貌を利用し、最も都会的で灰汁抜けした書生風の服装や動作を仕込んだ。謙遜を抜きにして言うが事実わたしのその当時は恍として眼も細めたいような美しい青年であったろう。それでいて薩張りして活溌な書生さんでもあったろう。彼女はその客情人の若旦那や取巻き芸者と共にわたしをも引具して諸処で友だち芸妓の開いているお座敷へ遊びの他流試合に行く。