Classici giapponesi con furigana
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いなかいしのこ
田舎医師の子
相馬 泰三
Leggi 田舎医師の子 (いなかいしのこ) di 相馬 泰三 (そうまたいぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.947 caratteri · 76 schermate
自分のそばにもう一人、誰か他の人がいて何かしゃべっているとしか思われなかった。
「何しろ、十五六時間も汽車に乗り通したんでは、さぞ疲れた事だろう。」
「え、おかげさまで、今朝はとんだ寝坊をしてしまいました。つい、今しがた起きたばかりなんです。」
「はゝゝゝ」
庸介は「何という拙劣な事だ!」と思った。「まるで会話の体をなしていないじゃないか。」とさえ思った。彼は、さっきから、今度自分がこうして帰って来たことについて、それから、先日、父の送ってくれた為替券のことについてそれとなく一言言い及びたいと思っていた。そうでないといつまでも中途半端な所に落ち着かないでいるようで、いかにも気が済まなかった。しかし父の方では、何の怪我もなくこうして彼が帰っている事であれば何も大して案じる事もなかった。今は、彼に、もう一度世の中へ勇ましく出発してゆくだけの勇気を得させるようにひたすら努めさえすれば良いのだと、こう思うているのであった。
彼がもじもじしているうちに、また、父の方から口を開いた。しかし、今度は今までよりもやや厳格の調子であった。とはいえ、やさしく、
「お前が帰って来てくれてちょうど良かったんだ。