Classici giapponesi con furigana
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こうしゅうちんぶたい
甲州鎮撫隊
国枝 史郎
Leggi 甲州鎮撫隊 (こうしゅうちんぶたい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.891 caratteri · 28 schermate
「左様で」
とお力は答えた。
「新選組の方々が、こちらさまに、お居でと承りましたが……」
「はい、近藤様や土方様や、新選組の方々が、最近までこちらで療治をお受けになっておられましたが、先日、皆様打揃って甲府の方へ――甲州鎮撫隊となられて、ご出立なさいました」
「まア、甲府の方へ! それでは、沖田様も! 沖田総司様も※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
悲痛といってもよいような、然ういう娘の声を聞いて、お力は改めて、相手をつくづくと見た、娘は十八九で、面長の富士額の初々しい顔の持主で、長旅でもつづけて来たのか、甲斐絹の脚袢には、塵埃が滲んでいた。
「失礼ですが」
とお力は云った。
「あのう、お前様は?」
「はい、千代と申す者でございますが、京都から沖田様を訪ねて……」
「まあ、お前様がお千代さん……」
「ご存知で?」
「いえ」
と、あわてて打消したが、お力は(これが、総司さんが、眠った間も忘れないお千代という女なのか。……総司さんは、お千代は、恋患いで寝込んでいるだろうと仰有ったが、寝込んでいるどころか、東海道の長の道中を、清姫より執念深く追って来たよ。……どっちもどっちだねえ)と思うと同時に、ムラムラと嫉妬の情が湧いて来た。