Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

こうしゅうちんぶたい

甲州鎮撫隊

国枝 史郎

Leggi 甲州鎮撫隊 (こうしゅうちんぶたい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.891 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

四月十一日、江戸城が開き、官軍が続々ご府内へ入込んで来た頃、沖田総司は、臨終の床に在った。枕元には、植甚や、その家族の者が並んで、静まり返っていた。過ぐる晩、お力がやって来て切りかかったのを防いだ時、大咯血をし、それが基で、総司の病気は頓に悪化したのであった。近藤勇が、官軍の手で、越ヶ谷から板橋に送られ、其処で斬られたということなども、総司の死を、精神的に早めたのでもあった。不幸なお千代が、やっと植甚の家を探しあてて、訪ねて来たのは、この日であった。植甚の人達は、以前からお千代のことは聞いて知っていた。それと知ると、お千代を直ぐに総司の枕元へ進れて来た。

「沖田様!」

とお千代は、もう眼も見えないらしい、総司に取縋り、耳に口を寄せて呼んだ。

「お千代でございます! 京都から訪ねて参った、お前の女房、お千代でございます!」

その声が心に通ったとみえて、総司の視線がお千代の顔へ止まった。

「お千代!……わしの女房!……然うだ!」

しかしその顔に俄に憎悪の表情が浮かび、

「おのれ、お力イ――ッ」

と云った。それが最後の言葉であった。

翌月の十五日に始まったのが、上野の彰義隊の戦いであった。