Classici giapponesi con furigana
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えのかなしみ
画の悲み
国木田 独歩
Leggi 画の悲み (えのかなしみ) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4772 caratteri · 10 schermate
馬の顔を斜に見た処で、無論少年の手には余る画題であるのを、自分はこの一挙に由て是非志村に打勝うという意気込だから一生懸命、学校から宅に帰ると一室に籠って書く、手本を本にして生意気にも実物の写生を試み、幸い自分の宅から一丁ばかり離れた桑園の中に借馬屋があるので、幾度となく其処の厩に通った。輪廓といい、陰影といい、運筆といい、自分は確にこれまで自分の書いたものは勿論、志村が書いたものの中でこれに比ぶべき出来はないと自信して、これならば必ず志村に勝つ、いかに不公平な教員や生徒でも、今度こそ自分の実力に圧倒さるるだろうと、大勝利を予期して出品した。
出品の製作は皆な自宅で書くのだから、何人も誰が何を書くのか知らない、また互に秘密にしていた。殊に志村と自分は互の画題を最も秘密にして知らさないようにしていた。であるから自分は馬を書きながらも志村は何を書いているかという問を常に懐いていたのである。
さて展覧会の当日、恐らく全校数百の生徒中尤も胸を轟かして、展覧室に入った者は自分であろう。図画室は既に生徒及び生徒の父兄姉妹で充満になっている。そして二枚の大画(今日のいわゆる大作)が並べて掲げてある前は最も見物人が集っている。