Classici giapponesi con furigana
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ばんちょうさらやしき
番町皿屋敷
岡本 綺堂
Leggi 番町皿屋敷 (ばんちょうさらやしき) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.494 caratteri · 67 schermate
三
その話のうちにお菊が出て来た。彼女も母と列んで井戸の底を覗くと、遠い水の上に母子の笑い顔が小さく泛んだ。
三
それから二日目の朝である。お菊がいつものように台所へ出て、お仙の手伝いをしていると、奴の権次が肩をすくめて外からはいって来た。
「お客来じゃ。お客来じゃ」
「お客来……」と、お菊は片付け物の手を休めた。「どなたでござりまする」
「いや、むずかしいお客様じゃ。殿様にも苦手、俺たちにも禁物、見付からぬように隠れているのが一の手じゃ」
そういううちに、権六もこそこそとはいって来た。大の奴どもがそれほどに煙たがっている相手は、女たちにも容易く想像された。お仙は笑いながらきいた。
「あの、小石川の伯母様かえ」
「それじゃ、それじゃ。あの伯母御は渡辺の屋敷へ腕を取返しに来た鬼の伯母よりも怖ろしい。面を見せたらきっと叱らるる。ましておとといの今日じゃ。お叱言の種は沢山ある。所詮お帰りまでは面出し無用じゃ」
いつもの事で、珍らしくないと思いながらも、鎌髭を食いそらした奴どもが怖い伯母御に縮み上っている、無邪気な子供らしい様子が堪らなくおかしいので、お仙は端下ない声をあげて笑った。