Classici giapponesi con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate
それが確かに市野さんに相違ないんです。十四のときに別れたぎりですけれど、わたくしの方じゃあ決して忘れやあしません。馬車の窓からそれを見て、わたくしがはっと思う途端に、まあ不思議ですね、馬車の馬が急に膝を折って倒れてしまいました。
それからみんなが騒いでいるうちに、わたくしはそっと抜けて行って、だしぬけに市野さんの前に顔を出すと、こっちの姿がまるで変っているので、男の方じゃあすぐには判らなかったらしいんですが、それでもようように気がついて、これは久し振りだということになりました。けれども、こんなところを兄に見付けられてはいけないというので、市野さんはわたくしを引っ張って、その家の裏手の方へまわると、そこには唐もろこしの畑があるので、その唐もろこしの蔭にかくれてしばらく立ち話をしているうちに、馬の方の型が付いて、あなたと兄は歩き出したので、それをやり過ごして、わたくし共はあとからゆっくり帰って来たんです。
その途中で、市野さんといろいろ話し合いましたが、あの人はその後に薬学校を卒業して、薬剤師の免状を取って、自分の家へ帰って立派に商売をしているそうで、昔の事をひどく後悔していると言って、しきりに言い訳をしたり、あやまったりするので、過ぎ去ったことを今さら執念ぶかく言っても仕方がないと思って、わたくしももう堪忍