Classici giapponesi con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate
前にも申す通り、わたくしは所々方々を流れ渡っている間、一度も市野さんに逢ったこともなく、今度帰って来たからといって、再び撚りを戻そうなぞという料簡はなかったんですが、この幽霊藻を抱いているうちに、又むらむらと気が変って、すぐに町まで行きました。そうして、市野さんを表へ呼び出すと、市野さんは迷惑そうな顔をして出て来まして、お前のような女がたずねて来ては、両親の手前、近所の手前、わたしが甚だ困るから、用があるなら私の方から出かけて行くと言うんです。では、今夜の七時ごろまでに尾花川の堤まで来てくれと約束して別れて、その時刻に行ってみますと、約束通りに市野さんは来ていました。向うではわたくしがお金の催促にでも行ったと思ったらしく、当座のお小遣いにしろといって十五円くれましたので、わたくしはそれを押し戻して、お金なんぞは一文もいらないから、どうぞ元々通りになってくれと言いますと、市野さんはいよいよ迷惑そうな顔をして、なんともはっきりした返事をして聞かせないんです。
それでその晩はうやむやに別れてしまったんですが、わたくしの方ではどうしても諦められないので、一日置きに町の病院まで通って行くのを幸いに、その都度きっと市野さんの店へたずねて行って、男を表へよび出して、どうしても元々通りになってくれとうるさく責めるので