Classici giapponesi con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate
震災の実情がだんだんに詳しく判れば判るほど、神経が苛立ってくる。もう我慢が出来なくなったので、とうとう思い切って九月の十七日にここを発つことにしました。飛騨から東京へのぼるには、北陸線か、東海道線か、二つにひとつです。僕は東海道線を取ることにして、元来た道を引っ返して岐阜へ出ました。そうして、ともかくも汽車に乗ったのですが、なにしろ関西方面から満員の客を乗せてくるのですから、その混雑は大変、とてもお話にもならない始末で、富山から北陸線を取らなかったことを今更悔んで追っ付かない。別に荷物らしい物も持っていなかったのですが、からだ一つの置きどころにも困って、今にも圧し潰されるかと思うような苦しみを忍びながら、どうやら名古屋まで運ばれて来ましたが、神奈川県にはまだ徒歩連絡のところがあるとかいうことを聞いたので、さらに方角をかえて、名古屋から中央線に乗ることにしました。さて、これからがお話です。
「ひどい混雑ですな。からだが煎餅のように潰されてしまいます。」
僕のとなりに立っている男が話しかけたのです。この人も名古屋から一緒に乗換えて来たらしい。煎餅のように潰されるとは本当のことで、僕もさっきからそう思っていたところでした。