Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate
まあ、早くいうと、そこに一羽の鴨があるいている。はて珍らしいというのでそれを捕ろうとすると、鴨めは人を焦らすようについと逃げる。こっちは焦ってまた追って行く。それが他のものには何にも見えないで、猟師は空を追って行くんです。その時にはほかの者が大きい声で、そらえてものだぞ、気をつけろと呶鳴ってやると、猟師もはじめて気がつくんです。最初から何にもいるのじゃないので、その猟師の眼にだけそんなものが見えるんです。
それですから木曽の山奥へはいる猟師は決して一人で行きません。きっとふたりか三人連れて行くことにしています。ある時にはこんなこともあったそうです。山奥へはいった二人の猟師が、谷川の水を汲んで飯をたいて、もう蒸れた時分だろうと思って、そのひとりが釜の蓋をあけると釜のなかから女の大きい首がぬっと出たんです。その猟師はあわてて釜の蓋をして、上からしっかり押えながら、えてものだ、えてものだ、早くぶっ払えと呶鳴りますと、連れの猟師はすぐに鉄砲を取ってどこを的ともなしに二、三発つづけ撃ちに撃ちました。それから釜の蓋をあけると、女の首はもう見えませんでした。まあ、こういうたぐいのことをえてものの仕業だというんですが、そのえてものに出逢うものは猟師仲間に限っていて、杣小屋などでは一度もそんな目に逢ったことはありませんよ