Classici giapponesi con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate
容貌もまず十人並以上で阿母さんとは違ってなかなか元気のいい活溌な婦人でしたが、気のせいか、その蒼白い細おもてがやや寂しく見えるようでした。
山岸は三十前後で、体格もよく、顔色もよく、ひと口にいえばいかにも男らしい風采の持主でした。その上に、郷里の実家が富裕であるらしく、毎月少なからぬ送金を受けているので、服装もよく、金づかいもいい。どの点から見ても七人の止宿人のうちでは彼が最も優等であるのですから、伊佐子さんが彼に眼をつけるのも無理はないと思われました。いや、彼女が山岸に眼をつけていることは、奥さんも内々承知していながら、そのまま黙許しているらしいという噂もあるくらいですから、今ここで山岸の口から伊佐子さんのことを言い出されても、私はさのみ怪しみもしませんでした。勿論、妬むなどという気はちっとも起りませんでした。
「伊佐子さんは酒を飲むんですか。」と、わたしも笑いながら訊きました。
「さあ。」と、山岸は首をかしげていました。「よくは知らないが、おそらく飲むまいな。私にむかっても、酒を飲むのはおよしなさいと忠告したくらいだから……。」
「でも、酒を飲まないと、伊佐子さんに嫌われると言ったじゃありませんか。