Classici giapponesi con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate
この近所に大きい黒い野良猫がいる。それがきょうの午前中に忍び込んできて、女中の知らない間に蒲焼の一と串をくわえ出して、裏手の掃溜のところで食っていたかと思うと、口から何か吐き出して死んでしまった。猫は何かの毒に中ったらしいというのです。
こうなると、わたしも少しく係合いがあるような気がして、そのまま聞き捨てにはならないことになります。
「猫はまったくそのうなぎの中毒でしょうか。」と、私は首をかしげました。「そうして、ほかの鰻はどうしました。」
「なんだか気味が悪うござんすから、母とも相談して、残っていた鰻もみんな捨てさせてしまいました。熊手も毀して、唐の芋も捨ててしまいました。」
「しかし現在、その鰻を食ったわれわれは、こうして無事でいるんですが……。」
「それだからあの人は怖ろしいと言うんです。」と、伊佐子さんの眼のひかりが物凄くなりました。「おみやげだなんて親切らしいことを言って、わたし達を毒殺しようと巧らんだのじゃないかと思うんです。さもなければ、あなた方の食べた鰻には別条がなくって、わたし達に食べさせる鰻には毒があるというのが不思議じゃありませんか。