Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うみがめ

異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二

岡本 綺堂

Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate

Aozora Bunko

」と、奥さんは苦労ありそうに、眉をひそめました。

伊佐子さんに対しては一種の義憤を感じていた私も、おとなしい奥さんの悩ましげな顔色をみていると、又にわかに気の毒のような心持になって、なんとか慰めてやりたいと思っているところへ、あたかも集配人がポストをあけに来たので、ふたりはそこを離れなければならないことになりました。

そのときに気がついて見返ると、伊佐子さんが門口に立って遠くこちらを窺っているらしいのが、軒燈の薄紅い光りに照らしだされているのです。わたし達もちょっと驚いたが、伊佐子さんの方でも自分のすがたを見付けられたのを覚ったらしく、消えるように内へ隠れてしまいました。

五

奥さんに別れて、麹町通りの方角へふた足ばかり歩き出した時、あたかも私の行く先から、一台の自動車が走ってきました。あたりは暗くなっているなかで、そのヘッド・ライトの光りが案外に弱くみえるので、私はすこしく変だと思いながら、すれ違うときにふと覗いてみると、車内に乗っているのは一人の婦人でした、その婦人の髪が真っ白に見えたので、わたしは思わずぞっとして立停まる間に、自動車は風のように走り過ぎ、どこへ行ってしまったか、消えてしまったか、よく判りませんでした。