Classici giapponesi con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate
帰省を嫌うわけではないが、帰省すると親類や知人のところへぜひ一度は顔出しをしなければならない。それも一度ですむのはまだいいが、相手によっては二度三度、あるいは泊まって来なければならないというようなところもある。それも町のうちだけではない。隣り村へ行く、またその隣り村へ行く。甚だしいのになると、山越しをして六里も七里も行くというのだから、全くやりきれない。この時にも勿論それを繰返さなければならなかったので、七月いっぱいはほとんど忙がしく暮らしてしまった。
八月になって、まずその役目もひと通りすませて、はじめて自分のからだになったような気がしたが、毎日ただ寝ころんでいても面白くない。帰省中に勉強するつもりで、いろいろの書物をさげて来たのだが、いざとなるとやはりいつもの怠け癖が出る。といって、なにぶんにも狭い町だから遊びに行くような場所もない。いっそ釣りにでも行ってみようかと思い立って、八月なかばの涼しい日に、家の釣道具を持出してかの尾花川へ魚釣りに出かけた。もちろん、日中に釣れそうもないのは判っているので、僕は昼寝から起きて顔を洗って、午後四時ごろから出かけたのだ。