Classici giapponesi con furigana
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Leggi 痴人の愛 (ちじんのあい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 179.399 caratteri · 353 schermate
「だけどお前、そうツケツケと悪口を云うもんじゃないよ。傍で聞いていてハラハラするから」
「大丈夫よ、あたしにはあたしで考があるわよ。―――なあに、あんな女にはそのくらいのことを云ってやった方がいいのよ、でないと此方まで迷惑するから。まアちゃんだって、あれじゃ困るから注意してやるって云っていたわ」
「そりゃ、男が云うのはいいだろうけれど、………」
「ちょいと! 浜ちゃんが綺羅子を連れて来たわよ、レディーが来たら直ぐに椅子から立つもんよ。―――」
「あの、御紹介します、―――」
と、浜田は私たち二人の前に、兵士の「気をつけ」のような姿勢で立ち止まりました。
「これが春野綺羅子嬢です。―――」
こう云う場合、「この女はナオミに比べて優っているか、劣っているか」と、私は自然、ナオミの美しさを標準にしてしまうのですが、今浜田の後から、しとやかなしなを作って、その口もとに悠然と自信のあるほほ笑みを浮かべながら、一と足そこへ歩み出た綺羅子は、ナオミより一つか二つ歳かさでもありましょうか。が、生き生きとした、娘々した点に於いては、小柄なせいもあるでしょうが、少しもナオミと変りなく、そして衣裳の豪華なことは寧ろナオミを圧倒するものがありました。