Classici giapponesi con furigana
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Leggi 痴人の愛 (ちじんのあい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 179.399 caratteri · 353 schermate
「巧いもんだね、とてもその真似は役者にだって出来やしないね、顔が西洋人に似ているんだから」
「そうかしら、何処が全体似ているのかしら?」
「その鼻つきと歯ならびのせいだよ」
「ああ、この歯?」
そして彼女は「いー」と云うように唇をひろげて、その歯並びを鏡へ映して眺めるのでした。それはほんとに粒の揃った非常につやのある綺麗な歯列だったのです。
「何しろお前は日本人離れがしているんだから、普通の日本の着物を着たんじゃ面白くないね。いっそ洋服にしてしまうか、和服にしても一風変ったスタイルにしたらどうだい」
「じゃ、どんなスタイル?」
「これからの女はだんだん活溌になるんだから、今までのような、あんな重っ苦しい窮屈な物はいけないと思うよ」
「あたし筒ッぽの着物を着て兵児帯をしめちゃいけないかしら?」
「筒ッぽも悪くはないよ、何でもいいから出来るだけ新奇な風をして見るんだよ、日本ともつかず、支那ともつかず、西洋ともつかないような、何かそう云うなりはないかな―――」
「あったらあたしに拵えてくれる?」
「ああ拵えて上げるとも。僕はナオミちゃんにいろんな形の服を拵えて、毎日々々取り換え引換え着せて見るようにしたいんだよ。