Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しろいかべ

白い壁

本庄 陸男

Leggi 白い壁 (しろいかべ) di 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.697 caratteri · 51 schermate

Aozora Bunko

「そうかい、じゃ僕が片づけよう」

杉本は塵取に灰を掬い、雑巾とばけつをさげて小使室から三階にあがるのであった。

子供たちは、汚れない机を片づけてしまった。白墨で大きな輪を描いていた。その輪の中心に不覚にも洩らしてしまった柏原富次が、先刻のままじっと腰かけていた。

「今日はこれでおしまいだ、帰りたいものはしずかに帰んなよ」

だが教師のその言葉に一人として動きだすものはなかった。子供たちは土俵のような円い白墨の輪を取り囲んで、床の上に蹲っていた。行儀よく片唾をのんで、仲間の不幸をいたむように口も利かずに坐っていた。

杉本は富次の身体を腰から立たしてやった。「腹をこわしてたんだなあ――さあ、とにかくその着物を脱いで……どら、こっちに来な、あんまり大食いをした罰かな?」

「ちがうよ――」柏原は動かされるままになりながら、一言否定するのであった。「あたいはしんさいが怖かなかったんだよ」

発育不全の柏原富次は、日蔭の草みたいによろけて杉本の肩を捉えた。彼は教師の温かい頸筋に、臭い彼の鼻加多児のいきを押しつけた。そして汚れた尻から腿を拭いてもらい、何か肉体的な幸福をぽっと面に漲らし低い声で話しだした。