Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しろいはなあかいくき

白い花赤い茎

田中 貢太郎

Leggi 白い花赤い茎 (しろいはなあかいくき) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5634 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

「約束はしてったが、お前たちのことが気にかかってしようがないから、帰って来た、早く開けておくれ」

どうしても詞の調子に違ったところがあった。

「ほんとうのお母さんですか」

「判ってるじゃないか、ほんとうのお母さんか嘘のお母さんか、顔を見れや判るじゃないか、開けておくれ」

「そう」と云って、総領女はまた懸金を放そうとしたが、どんな物が母に化けて来ていないとも限らないと思いだしたので、夫を考えて、「本当のお母さんか、お母さんでないかは、手に触ってみたら判る、手に触らしておくれよ」と、戸の破れ目から隻手を差しだした。

「触ってごらん、それ、此処にあるよ」

総領女の手にがさがさした皮膚の荒い手首が触れた。彼女はぞっとして手を引込めた。

「お母さんの手じゃない、お母さんの手は、こんながさがさした手じゃない」

「それは、今日お餅を搗いたなりで、まだ洗わないから、がさがさしてるが、洗ったらとろとろしだすよ、……じゃ、ちょっと洗って来るから、待っといで」

こう云って戸の外の人は、門口を離れて往ったが、やがて引返して来た。

「それ洗って来た。がさがさしてるか触ってごらん」

総領女はまた戸の破れから手をだして見た。