Classici giapponesi con furigana
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しろくれない
白くれない
夢野 久作
Leggi 白くれない (しろくれない) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.846 caratteri · 50 schermate
それがその何で御座います。今から三百年ばかり前に焼けた切支丹寺と申しますものの遺跡なんだそうで……ヘエ」
「フウム。切支丹寺……切支丹寺ならドウしてソンナに安いんだい」
「それがそのお刀の彫物の曰く因縁なんで……ヘエ。白くれないって書いて御座んしょう。その花を念のため、ここに持って参いりました。これが花でコチラが実と葉なんで……ちょと隠元豆に似ておりますが」
「ううむ。花の色は白いといえば白いが、実の恰好がチット変テコだなあ。紫色と緑色の相の子みたいじゃないか。妙にヒネクレて歪んでいるじゃないか」
「ところが実を申しますとこの花の方が問題なんで……とても凄いお話なんで……ヘエ」
と云ううちに貫七爺は眼の球を奥の方へ引込まして支那扇を畳んだ。その表情が東京の寄席で聞いた何とかいう怪談屋の老爺にソックリであった。
「……ヘエ。その切支丹寺の焼跡になっております地面は、只今のところズット麓の方に住んでおりまする区長さんの名義になっておりまするが、その区長さんのお庭先に咲いておりますくれないの花と申しますのはこれなんで……ヘエ。御覧の通り葉の形から花の恰好まで白い方の分とソックリで御座いますが、ただ花の色だけが御覧の通り血のように真赤なんで……昔からくれないの花と申して珍重されていたものだそうで御座います。