Classici giapponesi con furigana
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はくじつむ
白日夢
豊島 与志雄
Leggi 白日夢 (はくじつむ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.672 caratteri · 23 schermate
そしてまた一方には、なぜかしら、なぜかしら? としきりに心の奥で考えていた。すると、地上に石塊のように投げ出されてる、自分自身が、自分の生活が、遠くの方からだんだん目近に見えてきた。この地球の上に、自分のものという一隅の地面もなく、自分のものという一軒の住宅もなく、自分を養ってくれる食物や金銭の蓄えもなく、その日その日を漸く稼いで暮していて、その上、しっかりよりかかるべき理想とか主義とかを持たず、何のために生きてるのか分らない生活をして、ぼんやり日を送ってるのだった。物質的にも精神的にも、全くの無産者だった。それがいけないのかしら……だが、やはり私にだって、爽かな空気も暖い日の光も、多分に存在しているじゃないか。家を間違えたって人違いをしたって、そんなことを構うものか。きっと上下をつけて納まり返ってるのがいけないのだ。真裸になって皆一緒に手をつないで踊り廻ったら、どんなにか面白いだろう。何にも持たないことは一種の強みだ。
そんな風に私は考えて、非常に晴々とした愉快な気持になったが、それにしてもやはり、自分の家や妻や子供のことを考えると、何だか気になって仕様がなかった。