Classici giapponesi con furigana
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しろがねのえず
白金之絵図
泉 鏡花
Leggi 白金之絵図 (しろがねのえず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.356 caratteri · 47 schermate
「御免なさいよ。」
「はいはい、結構なお日和でございます。」
「されば……じゃが、歩行くにはちと陽気過ぎますの。」
と今時、珍しいまで躾の可い扇子を抜く。
「いえ、御隠居様、こうして日蔭に居りましても汗が出ますでございますよ。何ぞ、シトロンかサイダアでもめしあがりますか。」と商売は馴れたもの。
「いやいや、老人の冷水とやら申す、馴れた口です。お茶を下され。」
「はいはい。」
ちと横幅の広い、元気らしい婆さん。とぼけた手拭、片襷で、古ぼけた塗盆へ、ぐいと一つ形容の拭巾をくれつつ、
「おや、坊ちゃん、お嬢様。」と言う。
十一二の編さげで、袖の長いのが、後について、七八ツのが森の下へ、兎と色鳥ひらりと入った。葭簀越に、老人はこれを透かして、
「ああ、その森の中は通抜けが出来ますかの。」
「これは、余所のお邸様の持地でございまして、はい、いいえ、小児衆は木の実を拾いに入りますのでございますよ。」
「出口に迷いはしませんかの、見受けた処、なかなかどうも、奥が深い。」
「もう口許だけでございます。で、ございますから、榎の実に団栗ぐらい拾いますので、ずっと中へ入りますれば、栗も椎もございますが、よくいたしたもので、そこまでは、可恐がって、お幼いのは、おいたが出来ないのでございます。