Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まゆかくしのれい

眉かくしの霊

泉 鏡花

Leggi 眉かくしの霊 (まゆかくしのれい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.284 caratteri · 51 schermate

Aozora Bunko

私がその顔の色と、怯えた様子とてはなかったそうでございましてな。……お社前の火事見物が、一雪崩になって遁げ下りました。森の奥から火を消すばかり冷たい風で、大蛇がさっと追ったようで、遁げた私は、野兎の飛んで落ちるように見えたということでございまして。

とこの趣を――お艶様、その御婦人に申しますと、――そうしたお方を、どうして、女神様とも、お姫様とも言わないで、奥さまと言うんでしょう。さ、それでございます。私はただ目が暗んでしまいましたが、前々より、ふとお見上げ申したものの言うのでは、桔梗の池のお姿は、眉をおとしていらっしゃりまするそうで……」

境はゾッとしながら、かえって炬燵を傍へ払った。

「どなたの奥方とも存ぜずに、いつとなくそう申すのでございまして……旦那。――お艶様に申しますと、じっとお聞きなすって――だと、その奥さまのお姿は、ほかにも見た方がありますか、とおっしゃいます――ええ、月の山の端、花の麓路、螢の影、時雨の提灯、雪の川べりなど、随分村方でも、ちらりと拝んだものはございます。――お艶様はこれをきいて、猪口を下に置いて、なぜか、しょんぼりとおうつむきなさいました。