Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひぶん

碑文

豊島 与志雄

Leggi 碑文 (ひぶん) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.294 caratteri · 27 schermate

Aozora Bunko

無理に買い取りなすったようなものだ。」

「いいえ、それは違うわ、違ってよ。お母様は、その残りのものかどうか分らないけれど、黄絹と紫絹と五色の宝石を、たいへん大事にしていらしたのよ。それで、お亡くなりになった時、私一人で、ちょっと棺のそばにいさして貰ったでしょう。あの時、私、その黄絹と紫絹と五色の宝石を、棺の中へ入れてあげたのよ。お母様のお望み通りにしたのよ。」

「え、本当なの。」

崔冷紅はうなずきました。曹新は考えこみました。そして二人とも暫く黙っていましたが、崔冷紅はふいに涙ぐんで、ハンカチを口にくわえてすすり泣きました。

「どうしたの。」と曹新は尋ねました。

「だって、お兄さんは、つまらないことばかり気にしているんですもの。」

曹新は言葉につまって、立上ってその辺を歩きだしました。それから戻ってきて、崔冷紅の肩に手をかけて、いいました。

「ねえ、も一度北京に出て、勉強してみる気はないの。」

崔冷紅は頭を振りました。

「お父様が、とてもお許しにならないわ。」

それきり、二人は口を噤んでしまいました。時間がたって、槐の木影が次第に移ってゆきました。

曹新は、決心の眼を宙に据えていいました。