Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

つぶてしんじゅう

礫心中

野村 胡堂

Leggi 礫心中 (つぶてしんじゅう) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.190 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

「其奴だッ、悪者はその甲斐だ」

「何を言う」

それは言う迄もなくお豊でした、高く挙げた指は、馬上の甲斐守の顔をピタリと指します。

「私の姉を殺し、父親を牢に入れ、家を潰した上、私を騙して、水野様を殺させようとした大悪人は其奴だ」

お豊の声は礫と漫罵の中に甲走ります。

「無礼者ッ」

「気違いッ」

人波に乗込んだ甲斐守の馬蹄は、あッと言う間にお豊を踏みにじりました。が、次の瞬間、気力一つで起直ったお豊、髪を振り乱し、唇を噛み切り、滅茶滅茶に衣紋も崩れて、見る影もない凄まじい姿乍ら、たった今、老臣堺藤兵衛に諫められて、水野越前が入ったばかりの門の扉へ、要次郎と一緒に、二つ大の字に立塞がりました。

「江戸の敵、日本一の大悪人」

言葉は千切れて飛んで、ワナワナと顫える指は、執拗に鳥居甲斐守の苦り切った顔を追います。

「馬鹿ッ」「撲ち殺せッ」

バラバラと飛ぶ礫、棒、石、――その中に全身碧血に染んだ二人は、必死と門を守りました。一瞬でも油断をしたら閂を差す前に暴民が殺到して、一挙に屋敷へ乱入したことでしょう。そうなれば水野越前の命も、浜松藩の家祿も何うなった事か判りません。