Classici giapponesi con furigana
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つぶてしんじゅう
礫心中
野村 胡堂
Leggi 礫心中 (つぶてしんじゅう) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.190 caratteri · 28 schermate
「…………」
「姉さんにあんな虐たらしい死様をさせたのも、要さんの職を取り上げたのも、みんな、天とう様のせいかねえ」
「そりゃ物のたとえだ、こんな時世に生れ合せたのが互の不祥さ」
「それで、お前は胸を擦って居られる積り?」
「…………」
「一体何処の誰がこんな御時世にしたんだろう、何んにも知らない若い娘が、真昼間の往来で裸にされるような、――それがお上のお慈悲だろうか、――御老中とか、お奉行とか言いやがって……」
「お豊」
「いえ、言わして下さい、人に聞かれたって構やしない、親の敵、姉さんの敵、――お前さんにも仕事を取上げた敵――」
「…………」
お豊は要次郎の胸を離れると、月下の町を浜町の方へ去り行く役人の後ろ姿を見送り乍ら、斯う言うのでした。
「私が男なら、乞食になっても附け狙って、姉に恥をかかせたあの鳥居の奴を討ってやる、序に江戸の人達を、こんな目に逢わせる老中――」
「お豊さん、お願だから気を鎮めておくれ」
「要さんはツイ今しがた、死に度い――と言いなすった、私も死に度いと思った、だけど、死んで化けて出る当があるわけじゃなし、そんな張合の無い心中などをするより、どうせ死ぬなら憎い敵に引っ掻きでも宜いから拵えて、万に一つの怨でも晴らしてやり度い」