Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Leggi 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.803 caratteri · 213 schermate

Aozora Bunko

「あああなたは?」

「小一郎でござる!」

「一式様か!」

「桔梗様!」

抱き合ったとたんに鬨の声が、館外にあたって響いたが、つづいて叫び声が聞こえて来た。

「山尼だ! 山尼だ! 山尼だ!」

と、裏門からムラムラと、一ツ橋勢が逃げ込んで来た。

「や、汝は!」とその中の一人が、一式小一郎へ切りかかった。

「まだ生きていたか! どうして遁がれた!」

危くヒョロヒョロと小一郎は、身を反わせたが苦しい声で、

「ナ、南部か! 集五郎!」

桔梗様はフラフラと歩き出した。

「小一郎様! 小一郎様! お逃げなさりませ、お逃げなさりませ」

フラフラフラフラと裏門を出た。

「桔梗様!」

と小一郎は、足もと定まらず追おうとする。

そこを背後から集五郎は、肩を目掛けてただ一刀!

それから一月の日が経った。女馬子の引く馬に乗り、一人の武士が旅をしていた。

四十六

秩父連山の中腹であり、武士は一式小一郎で、そうして女馬子は君江であったが、その同じ日に三浦三崎の方へ、八人連れの旅人が、事ありそうに歩いていた。

隅田のご前を前後に守り、七福神組の連中が、目立たぬ旅の装いをして、密かに歩いて行くのであった。