Classici giapponesi con furigana
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しんろのまき
神鷺之巻
泉 鏡花
Leggi 神鷺之巻 (しんろのまき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.672 caratteri · 54 schermate
五
神巫たちは、数々、顕霊を示し、幽冥を通じて、俗人を驚かし、郷土に一種の権力をさえ把持すること、今も昔に、そんなにかわりなく、奥羽地方は、特に多い、と聞く。
むかし、秋田何代かの太守が郊外に逍遥した。小やすみの庄屋が、殿様の歌人なのを知って、家に持伝えた人麿の木像を献じた。お覚えのめでたさ、その御機嫌の段いうまでもない――帰途に、身が領分に口寄の巫女があると聞く、いまだ試みた事がない。それへ案内をせよ。太守は人麿の声を聞こうとしたのである。
しのびで、裏町の軒へ寄ると、破屋を包む霧寒く、松韻颯々として、白衣の巫女が口ずさんだ。
「ほのぼのと……」
太守は門口を衝と引いた。「これよ。」「ははッ。」「巫女に謝儀をとらせい。……あの輩の教化は、士分にまで及ぶであろうか。」「泣きみ、笑いみ……ははッ、ただ婦女子のもてあそびものにござりまする。」「さようか――その儀ならば、」……仔細ない。
が、孫八の媼は、その秋田辺のいわゆる(おかみん)ではない。越後路から流漂した、その頃は色白な年増であった。呼込んだ孫八が、九郎判官は恐れ多い。弁慶が、ちょうはん、熊坂ではなく、賽の目の口でも寄せようとしたのであろう。