Classici giapponesi con furigana
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さいじつならざるひび
祭日ならざる日々
宮本 百合子
Leggi 祭日ならざる日々 (さいじつならざるひび) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4669 caratteri · 10 schermate
千人針の女のひとたちが街頭に立っている姿が、今秋の文展には新しい風俗画の分野にとり入れられて並べられている。それらの女のひとたちはみな夏のなりである。このごろは秋もふけて、深夜に外をあるくと、屋根屋根におく露が、明けがたのひとときは霜に凝るかと思うほどしげく瓦やトタンをぬれ光らせている。戦いに年が暮れるのだろうか。
この間二晩つづけて、東京には提灯行列があった。ある会があって、お濠端の前の建物のバルコンから、その下に蜿蜒と進行する灯の行列を眺め「勝たずば生きてかえらじと」の節の楽隊をきいた。あとになって銀座へ出たら、その提灯行列のながれが、灯った提灯をふりかざしながら幾人も歩いていて、どれも背広姿の若い男たちであった。なかに蹌踉とした足どりの幾組かもあって、バンザーイ、バンザーイといいながら、若い女のひとの顔の前へいきなりひょいと円い赤い行列提灯をつきつけたりしていた。いつよばれるかを知れないような連中なんだね、ああやっているの。と、その様子を眺めながら連れの老齢の男のひとが静かな口調でいった。
私たち女の心は、こういう街頭の情景にふれても、簡単にただ見ては過ぎかねる動きを感じている。