Classici giapponesi con furigana
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しゅうさいようしかがみ
秀才養子鑑
佐々木 邦
Leggi 秀才養子鑑 (しゅうさいようしかがみ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.837 caratteri · 32 schermate
と由良君は自分で自分の頭をポカ/\叩きながら、頻りに首を振っていた。
或日、所長秘書の井上君が小室君の机の側を通りかゝって、思いついたように、
「小室君、何うですか? 山の住み心地は」
と訊いて、立ち止まった。
「やあ。これは/\、井上さん」
小室君は社長女婿と聞いているから敬意の一方だった。
「何うですか? その後」
「一生懸命やっています。何分宜しく」
「東京に較べると空気が好いでしょう?」
「はあ、全然違うようです」
「健康的には健康的ですけれど、刺戟が足りません。退屈するでしょう?」
「さあ、未だ一向」
「些っと遊びにいらっしゃい」
「有難うございます」
「何なら今晩何うですか? 君とは同窓ですから、共通の話題があると思います」
「お差支なければ、お邪魔させて戴きましょう」
「それではお待ち致します」
「何時に上りましょうか?」
「七時頃が宜いでしょう。ゆっくり話す積りで、奥さんに断って来て下さい」
と言って、井上君はニヤ/\笑った。
小室君は夕食を認めてから出掛けた。
「何んな奥さんか見て来て下さいな。私と同じ名前なんて、お懐しいわ」
と雪子夫人も社交心が動いていた。