Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

わたしのしんじょう

私の信条

豊島 与志雄

Leggi 私の信条 (わたしのしんじょう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3502 caratteri · 7 schermate

Aozora Bunko

安全剃刀にしろ石鹸にしろ、自分のは自分一人だけで使いたく、他人に使われるのが嫌だし、他人のを使うのが嫌だ。恋人との間は別として、親子との間でもそうである。

右のような私の性癖は、おのずから、他人との共感の範囲を狭め、自分自身を孤独な境地に持ってゆこうとする。そしてこの孤独な境地の中での自由を、私は何よりも好む。この自由を侵害されることが、私には最大の苦痛となる。

だから、例えば卑近な一事を挙ぐれば、お目にかかりたいが何日の何時頃に伺ったら宜しいか御返事を、というような手紙ほど、凡そ手紙の中で嫌なものはない。そのような予約は、私にとっては自由の制約と感ぜらるる。明日のことは今日は分らないのだ。

ところで、孤独な境地の中での自由というものは、考えてみれば、甚だ我儘なものであり、横着なものであり、勝手放題なものである。そのことを私は身を以て知っている。私は嘗て多年の間、片手間の学校の教師をしていたが、決して勤勉な教師であったことがなかった。妻が病死してからもはや二十年、却って独身生活の気楽さを感じている。

原稿を書く場合、止むを得ず徹夜でペンを走らせることもあるが、真の勤勉努力というものが私には足りない。