Classici giapponesi con furigana
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わたしのりれきしょ
私の履歴書
井上 貞治郎
Leggi 私の履歴書 (わたしのりれきしょ) di 井上 貞治郎 (いのうえていじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.380 caratteri · 69 schermate
つもる思い出話をしているうちに、池田が『君は大阪商人だが、なにかおもしろい商売はないかね?』と切り出してきた。なんでも彼の友人に予備の陸軍大尉の荒川という人がいて、恩給や年金でなにかいい仕事をやりたい、と捜しているというのだ。『あるよ、あるとも』私は即座に答えた。しめた! 私の事業の出資者になってもらえる。あとは口から出まかせで、中屋の店の片隅でほこりをかぶっていた変てこな機械を思い出しながら、ボール紙にしわを寄せる仕事の話を持出したのである。全く「ひょうたんからコマ」だった。池田は『ふん、なかなかおもしろそうだ』と大乗り気である。さっそく荒川と品川に住んでいる石郷岡大尉、荒川の援助者の一志茂敬の三人が出資者となる話が決まったのだ。
当時日本で作られていたのは、もとはブリキに段をつけるロールにボール紙を通したもので、正式な名はなく一般に「電球包み紙」といわれていた。しかしこれは一枚の紙を山型のジグザグに縮ませただけで、ほとんど弾力性はなく、押えればぺしゃんこになってしまう。しかし馬喰町のレート化粧品などで使っていたドイツ製品は、波型紙をさらにもう一枚の紙にのりづけしてあり、しかも波の型が三角形でなく半円形で、弾力に富むものだった。