Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(一) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 246.214 caratteri · 495 schermate
時により、そんな世音も、心ある者には、北条治下の世の将来に、安からぬ予感をいだかせていたには違いない。亀ヶ谷寿福寺の一禅僧が、画賛の詩に、
肥狗ハ天ニ傲ツテ吼エ
痩人ハ地ニ黙シテ哭ス
と書いたことが、高時の側近に知れ、重い罪に問われたなどという取沙汰も、つい先頃のことだった。
それはともかく。――今日の六波羅飛脚は何をこのさいの幕庁へ報じて来たのか。
高時の執権御所にも、当夜ばかりは田楽ばやしの振り鼓も聞えず、深夜から暁かけての灯も森閑とひそまっていた。
その座に、高時はみえないが、すでに政所には、評定所衆とよばれる枢機の重臣たちがそろっていた。
内管領の長崎高資をはじめ、多くは北条家の親族といってよい。北条仲時、茂時、名越、安達、金沢父子、普恩寺入道、または赤橋守時といった風に。
なお、佐々木道誉だの上杉憲房などの姿も、ずっと席次の下の方には見えた。がしかし、憲房などはおそらく「長く六波羅にいて、朝廷や都の情勢に明るい者」として加えられていたに過ぎないものかもしれぬ。
――ところで。その夜の評定所会議だが、どうも、事は容易でなさそうだった。
舌の痺れたような小声ながら、評議中には、しばしば、