Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(七) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 330.262 caratteri · 662 schermate
いまは兵力よりも一日でも早く立つほうが、はるか大事ぞ」
と、言って出た。いかに彼の純真な意気が行くてを急いでいたかわかる。
軍中には、父親房も交じっている。その親房は、ことし八歳の義良親王を綿帽子にくるんで馬の鞍ツボに抱いていた。――しょせん、輿では道もはかどらず、駕輿丁の者も、雪の歩行にたえられぬからだった。
旗は、錦の旗の一旒をかざし、ほかは弓まで袋にしていた。弓弦なども張ッたままでおくとピンと凍ッてまま切れてしまう。また不意な雪中合戦が起るとしても、こんな大雪では矢バネも用をなすまいかと思われた。
が、顕家の南下を、
――やらじ
と、さまたげたのは、途上の風雪だけではない。久慈郡の佐竹ノ楯。亘理郡の相馬一族。またさきに尊氏から、奥州管領の名で東北に派遣されていた斯波家長の党などが、
「親王を奪い、顕家、親房を討って取れ」
と、あらゆる妨害と、またしばしばの奇襲に出た。
しかしまた、顕家の軍も、遠からず参会の将を加えて、威風堂々をなしてきた。そのおもなる隊には、伊達、南部、結城などの大族があり、やがて白河を越え、雪もうすらぐと、上野地方から新田与党の参陣もみえて、兵は五千余騎に達していた。