Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(七) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 330.262 caratteri · 662 schermate
菊池党
菊池党
古い俗間のことばに、
菊池千本槍
という伝えがある。
それまでの日本には鉾はあったが、槍はなかった、槍は九州の菊池党がつかい出したのが濫觴であるというのである。
ほんとか嘘かは定かでない。もっと昔の“後三年合戦絵巻”などには類似の武器を用いている武者図があるし、必然な闘争動作からも“突く”という働きは本能的にやることだから、すでに鉾すら上代からあったのに、槍の発明がそう遅かったとも考えられない。
しかし「菊池千本槍」の起りは、そんな考証にかかわりなく、箱根竹ノ下の合戦のさい、必要上、非常手段として、それに似た物をつかったという一場の戦場談から始まったものだった。
建武二年、新田勢が朝命の下に東海道をくだり、尊氏は“義貞弾劾状”を朝へ出して後、ただちに蟄居の一寺から上洛の兵をすすめて、両者、箱根の奇勝に拠って、雌雄を争ったあのときの戦である。
肥後の菊池武重は、その日、新田軍の総くずれと共に逃げ退いたが、途中、兵を竹林に隠して手頃な竹を伐らせ、それに短刀を結いつけて、追ッてくる敵を待った。そして不意に穂をそろえて突いて出たところ、敵は見たこともない武器にうろたえ、意外な戦果をあげた。