Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(七) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 330.262 caratteri · 662 schermate
七生人間
なにもいわぬ。ただ一同をこう拝む。……けれど死に当って、もいちど心に銘じておいてくれ、決してみなを犬死にはさせぬ。世は長く人の生は短い。その永遠にかけてここの生命を無意義にはさせまい。われら短い儚い者を久遠のながれにつなぎとめて後世何らかの鏡となって衆生に問おう。世をうらむこともない。わしたちは、そうした宿縁宿命の下に、この土に生れ合せた者どもであったとみえる。……では行こう。尊氏の陣中まで。あわよくば、尊氏の首、直義の首、いずれなりと、わが槍先に梟けて、日月いまだ堕ちず、と世へ叫べるかもしれまいぞ」
みんな顔を押し拭った。汗である、涙である。そしてそれは血と泥とでよけい異様な形相になった。炎天下、青い虫がキチキチ飛んでいるだけな一瞬を破って、五百余の眸は、正成のおもてから、彼方の宝満寺のほうを望んで、一せいに、異様な声をわああっと揚げた。久遠の宇宙へ、今を呼びかけるような声だった。
七生人間
いま、尊氏のまわりには、わずか二、三百ほどな小勢しかみえなかった。
敵の注視を生田方面へそらしめて、ここへ悠々と無血上陸をとげるためには、目をひくほどな船数をあとの海面におくわけにはゆかなかったし、また、尊氏に付いていた幕僚の諸将も、あらましはみな、敵の義貞を生田へおびきよせて打ち叩くべく、尊氏のそばを去ってここに