Classici giapponesi con furigana
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あきぞらはれて
秋空晴れて
吉田 甲子太郎
Leggi 秋空晴れて (あきぞらはれて) di 吉田 甲子太郎 (よしだきねたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9291 caratteri · 19 schermate
一男はゆっくりと梁の上に手をつき、やがて梁に馬のりになって、まず自分の体を安定させた。が、それからの仕事は手早かった。彼は細い方の綱の輪を首から外すと、死んだようになっている人の体にのりかかって、機敏に縄をかけた。あっという間に、怪我人の体は梁にしっかりと結びつけられていた。
見上げている連中は、ここで何とか声がかけたかった。だが、岸本監督はすぐに様子を察して皆を制した。
「まて、あいつが何とかいうまで黙っていろ」
しかし、一男は口もきかず、みんなの方を見ようともしなかった。彼にはまだ仕事が残っていた。第一に怪我人の様子をたしかめなければならない。それから、起重機の鎖から危くぶらさがっている物騒な梁に、巧く引綱をしばりつけなければならないのだ。
一男は怪我人の背中に手をつき、戦闘帽型の帽子をぬがせた。そして覗き込んだ彼の眼に映ったものは意外にも職工頭の山田の顔だった。ニベもなくさっき自分を断ったあの職工頭の顔だった。なんともいえぬ厳粛なものが彼の胸を打った。命にかかわるようなひどい怪我ではありませんように――彼は祈るような気持で丁寧に山田の頭を調べた。